叔父の家で出会った天使たちと、叔父のありがたい言葉

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叔父の家で出会った天使たちと、叔父のありがたい言葉

官庁訪問や、東京消防庁の二次試験のため、東京に出撃するサトル。
そのため、何日か東京に滞在する必要があるのだが、さすがに、毎回友達の家に世話になりっぱなしというものよくない。
ホテルなども使ったが、金銭的に少し厳しいかなというところで、結局親戚の叔父を頼ることになった。

 

叔父は、関東近郊で整骨院(と言っても、針やお灸などをするところ。なんていうの?)を営んでいる。
叔父には小さい頃、良く遊んでもらった。
サトルと、サトルの妹の三人でゲームをしたり、プールにも連れていってもらった。
叔父は今でこそ一国一城の主であるが、サトルが小学生の低学年のころ、浪人の身分で、資格取得のため勉強に励んでいた。
お互い、昔は敬語なんか使わなかったのだが、久しぶりに会い緊張してサトルは叔父に敬語を使った。
叔父は、敬語は使わなかったが、緊張していた。

 

お互いの近況を報告して、叔父の車で家に帰る。
叔父には、小さい子供が二人いた。
男の子と女の子が1人ずつ。
まだ小さくて、人見知りが始まったばかりの2歳と4歳くらいだろうか。
サトルがこんにちは、と挨拶をすると、恥ずかしがりながら叔父の足の後ろに隠れながら、こっちをチラチラ見ながら
「こんにちわぁ」
試験や慣れない環境で疲れていたサトルには、あまりに可愛くて子供たちが天使のように見えた。

 

叔父の奥さんが振る舞ってくれた手料理も最高だった。
叔父の奥さんは、食べ盛りのサトルの腹を満たすことができるように、わざといつもより大目に料理を作って、サトルの帰りを待ってくれた。
叔父には、東京消防庁の二次試験で履く運動靴を買ってくれた。
サトルが「どうせあまり履かないから安いやつで」と言ったのに、ミズノのそれなりの運動靴を買ってくれた。それは、今でもランニングのときに使っている。

 

サトルは、叔父の家を後にする際、いつかこの恩は返さねばという思いで、精一杯、ありがとうございましたと、お礼を述べた。
人見知りをしていた子供たちも、サトルがいないところでは、「お兄ちゃんお兄ちゃん」と、サトルのことが気になる様子だったらしく、少しは慣れてくれた。
叔父は、サトルが東京を後にするとき、すでに出勤していたため、直接お礼は言えなかった。
叔父の奥さんに、精一杯の感謝の気持ちをこめ、ありがとうございますというと、叔父の奥さんは、サトルに言った。
「全然、いいんだよ。実はね、本人(叔父)は、サトル君から相談があったとき、喜んでたんだよ。本人(叔父)はね、自分も昔浪人してたとき、資格を取るために田舎から東京に出てくるとき、親戚の家に泊まったり、お金を借りたり、ご飯御馳走になったり、いろんな人にお世話になったんだって。サトル君は、こういうのはね、周りめぐってくるもんなんだなって、本人が凄いうれしそうな顔してたから。

 

サトルは、また来ます、そのときは、働いて、自分で稼いだお金で、お菓子とお年玉を子供たちに持ってきますと、恥ずかしくて言えなかったが、心の中で決心したのだった。

 

帰りの新幹線で、サトルははっとした。
もしかしたら、叔父は、浪人中、自分(サトル)と妹と遊んだりするのが癒しの時間だったんだろうか。
サトルは、叔父の子供が天使のように見えたと言っていたが、叔父も同じような気持ちだったのだろうか。

 

こんなバカで間抜けなサトルではあるが、いつかは子供や家族を持ち、恩というものは、周りめぐって返し返される日が来ることをなんとなく悟ったサトルであった。




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